あの日以来、あたしは陽を忘れるようにした。
再び『うぜぇ』……そう思われたくない。
だけど、簡単に忘れられるなら苦労なんてしなかった。
翌日。
「明日から修学旅行だね!」
「楽しみーっ」
「沖縄の離島見学どこにした?」
明日から修学旅行なのに、陽は学校にも来なくなった。
出席日数不足で留年しちゃうんじゃないかとか心配になったけど
……あたしなんかには関係ない。
「あたしは波照間島」
「あたしもっ」
「俺も」
「あたしだけ違うのー?」
なぜか奈菜だけ違う島。
あたしたちは笑いが止まらなかった。
翌日に修学旅行を控えて、今日は午後の授業は休み。
みんな足早に帰っていく。
教室に残ったあたしは、教室の窓から外を眺めた。
“来いよ マジ惚れるよ?”
なんて、陽が試合の前に誘ってくれていたことが懐かしい。
「なに考えてんの?」
「優」
振り向いたあたしにきれいに笑いかけてくれたのは優。
キラキラの王子様スマイル
まるで、陽を見ているようだった。
「ううん。 明日楽しみだなぁって」
「嘘下手」
「わかっちゃった?」
「あたりまえだろ。何年一緒だと思ってんだよ」
なんでも気づくんだ。
優は窓際のあたしに近い席に座った。
この空気落ち着く……。

