「陽のこと、支えてあげられなくてごめんね」
「絢が謝ることはなにひとつない」
観覧車は地上につく。
……大丈夫
「心はずっと近くにある。絢を守り続けるから……」
「ありがとう」
陽からもらった白色のお揃いのクマ。
そのクマが
―――――……泣いているように見えた
「さよなら」
この言葉を告げて、離れた。
あたしに背を向けて去っていく陽の背中
もう……、
あたしのものじゃない
長い腕も
きれいなまっすぐな瞳も
柔らかい長めの髪も
甘く低いなめらかな声も
かけられる言葉も……。
さようなら……
はじまりが、終わりだったのかもしれない
バイバイ陽……
陽に出会えて幸せでした
「陽っ……っ……ようっ……」
あたしの声は陽に届くことはない
永遠を
疑わなかった
奇跡は起きない
あたしは永遠を
失った―――――……