5限目は修学旅行の班を決める時間だった。
5人班だしちょうどいい。
陽、優、奈菜、由美、あたし
そう思っていたのだけど……
「陽! 一緒の班にしよ?」
「あー……俺、違うやつらと決まってるから」
いつもなら一緒なのに。
寂しい気持ちを抱えながら優たちのところへ
「なんだって?」
「違う人と班組むって」
しゅんとしていうと、優はクスクス笑いながら
あたしを慰めた。
陽……どうしたんだろう?
「沖縄って美ら海水族館が有名だよなー」
「知ってる! 大水槽の前のジンクスでしょ」
美ら海水族館のジンクス
ずっと楽しみだった。
あそこで好きな人に告白すると、恋がかなう。
すでに付き合ってはいたけど、あそこに、陽と行くことが楽しみだったのに……。
「水族館だけでも陽と行きたい?」
「ううん……。 陽もほかの子と楽しみたいだろうし」
優は気をつかってくれているのだろう。
それ以上なにも言わなかった。