5人で同じクラスになり、あたしたちはいっそう仲がよくなった。

そして、あっという間に……
梅雨の時季になる




「梅雨ってイヤだね……」


「そう? 俺は梅雨も好きになったけど?」





好きになった。
陽は今好きになったみたいな言い方をした。


暖かく陽気な踊るような春はあっという間に過ぎる。

夏に近づく季節――――。


じめじめして、少し気持ち悪い。
なのに陽は、爽やかな笑顔をしてあたしを見ている。





「どうして好きなの?」


「言わないとわかんねぇ?」





いたずらっぽく瞳を輝かせて、傘を片手で持ちながら
あたしの肩を抱き寄せる。

……こうなら、あたしも梅雨が好きかも……。





「こうやれるじゃん」


「うん あたしも好きになった……」


「そっか」





こうして、雨が続く中、一緒に傘に入って帰るのがあたしと陽の日課になっていた。


瑞希ちゃんの視線が痛かった
けど……

陽はそんなこと気にも留めていないみたい。


最近、部活にもよく行くようになった陽。
バスケをしている時の陽はハツラツとしている。



毎日がすごく新鮮で、あたしの頭の中は

ただただ陽を好きという気持ちでいっぱいだった。





「あたしもバスケやれるかなぁ?」



「簡単だからできる。俺が教えてやろっか?」



「ホントに?」



「あぁ。そしたらいつでもマンツーマンできるしな」





キラキラの笑顔をあたしに向けていった。


そう話したところで家に着く。
もっと一緒に居たいのに。


あたしがうつむいて手を放せないでいると陽はくすくすと笑う