季節は春へ…――――

あたしたちは高校2年になった。
始業式、クラスが発表される


ドキドキしながら学校へと向かった。



校門にはいつものメンバーが集まっていた。

奈菜、由美、優、陽

みんなでクラス表をもらって名前を探す。



〈和泉 絢〉

あたしの名前は3組にあった。

3組、あたしは顔が自然と笑顔になっていく。



〈一ノ瀬 陽〉

すぐ下に陽の名前

ドキドキしながら陽の顔を見上げると、王子様スマイルで微笑んだ。





「陽! 同じクラス!!」


「そうだな 優たちとも…」





陽があたしの肩を自然に抱いた。

みんな同じクラス。奇跡的だった……



でも、喜ぶあたしたち5人に向けられたある人たちからの視線が……。





「瑞希ー…泣かないで……」



「だって…っ陽とクラスが…っ」





みんな泣いている瑞希ちゃんに同情していた。
だから、みんなあたしたちに冷たい視線を向けているんだ。





「自分たちだけ一緒になれればいいんだもんね」


「陽がそんなやつだと思わなかった……。マジがっかり」


「優と陽ってよく一緒にいられるよな」


「まあ、桜樹は和泉の近くにいられたらなんでもいいんじゃね?」





瑞希ちゃんに同情したのは、陽の周りにいた男の子たち。
泣いて顔を隠している瑞希ちゃん。

指の隙間から、あたしに勝ち誇った顔を見せる。





「和泉って、瑞希と親友だったんだろ?」


「瑞希が陽のこと好きなの知ってて付き合ってんじゃん」


「うわ……。 信じらんねェ」





親友だった?

あたしが初めて瑞希ちゃんと話したのは、陽と付き合いだしてから。
なのに、そんな話になってるなんて。



あたしは、思わず下を向いてしまった。