あたしの大嫌いなスキー合宿が始まる。

でも今日は、陽の誕生日


お菓子を作って、旅行バックに入れた。

喜んでくれるかな?



集合は学校。
予想以上にバックが重い





「重ーいっ」


「優くんと行けば?」


「お母さん……優となんていけないよ……」


「そ? 優くん迎えに来てるのに?」


「嘘はやめてよ……。お母さ……」





窓の外を見ると、数ヶ月ぶりにあの笑顔が見えた。

手を振っている。
その優の行動の嬉しさに、涙があふれた。


あたしは、重いバックを持って外に駆け出た。





「お母さん行ってきます!!」


「ケガしないようにね」


「はーい」





優の前でバックを置くと爽やかな笑顔が、あたしの顔をのぞく。

……かっこいい。
素直にそう思えるような笑顔





「朝から危なっかしいな絢は」


「優っ」





嬉しさで顔がほころんだ。

あたしの荷物を軽々と持ち上げると、
優は先を歩き出した。