悩み、ムッとし……
それを繰り返していると




「絢だよ」


「え?」


「いつ陽くんの家で寝たの?」


「え?」


「あれは一緒に勉強をしていて、絢が寝ちゃったって感じの写メかなぁ」





……!!
顔が赤くなる。

あ……どうしてそんなの、待ち受けにするんだろ。
恥ずかしくて、顔から火が出そう





「まぁまぁ。なんにせよバカップル上等!!」


「もう、プレゼント選ぶから!!」




熱くなった顔を冷ましながら……
プレゼントを見るあたし。

アクセサリーとかだったら、持ってたりするかな?

初めて選ぶ男の子への……恋人へのプレゼント。
あたしは男の子と付き合うのが初めてだから、喜ぶものとか、なにがいいかとかわからない。


それに比べて、陽は女の子慣れしてるからなぁ……。

そう考えたら、少し複雑になった





「陽くんは絢からのプレゼントならなんでも喜ぶよ」


「そう!! 絢の作るお菓子とか!!」




手作りお菓子……。
奈菜と由美のアイディアに賛成したあたしは材料を買った。

由美が言うには、陽はクッキーが大好き。

なんだかかわいらしくて少し笑ってしまった。





「そう言えばもうすぐスキー合宿じゃない? 用意した?」


「あたしはまだ! 絢は?」


「あたしもまだ。スキー合宿、休もうかな……」


「「なんで?!」」


「あたし、スキーできないの……」





その一言に由美と奈菜は大爆笑した。


あたしはスキーがむかしから苦手。
どうしても、行きたくない……。

そんなあたしに由美は肩を組みながらニコニコしてささやく





「だいじょーぶ!!」


「どうして……?」


「陽くん、スキー得意だから」


「だから?」


「教えてもらいな!!」





陽に教えてもらうなんて……
あたしが下を向くと由美と奈菜がクシャっとあたしの頭をなでた





「心配しすぎ」


「一ノ瀬くん、喜んでおしえてくれるんじゃない?」





ニコッと笑ったふたりは、テンションガタ落ちのあたしに言った。

“大切にされてるんだから”と……。
その言葉はすごくうれしくて、くすぐったかった。

陽は絶対に無理強いしない。付き合ってから数カ月たった今も、変わらず……


あたたかくて優しい