それにしても……
陽はなにが好みなんだろう。
由美には聞きづらいし……
男性もののアクセサリーを見ていると、由美と奈菜はニヤニヤしていた。
「絢、真剣に選びすぎっ!!」
「あたしたちいるの忘れないでよ~」
あ……
ふたりも迷いながら選んでるんだっけ。
あたしだけぐるぐる考えていた。
「ふふっ。陽くん、もうすぐ誕生日だもんねぇ~」
「由美……。ニヤニヤしすぎ。自分だって颯太くんに選んでるのに」
「いや~。一ノ瀬カップルはバカップルですからね~」
「え!? そんなことないって!!」
「あ、あたし一ノ瀬くんの待ち受け見たことある!!」
「あたしも!!」
どうして陽の待ち受けの話になるわけ?
あたしがムッとすると……
由美と奈菜は余計にあたしをからかってくる。
「絢は知らないの?」
「知りません」
「教えてあげよっか?」
「いい」
「意地っ張り」
どうして、みんなして、あたしをからかうの……。
怒ったり、悩んだり……
あたしの感情は忙しいなぁ。