陽に包まれた熱い顔は冷やされる。
気持ちいい――…。

陽の伏し目がちな顔はとても色っぽくて……
何度見ても慣れてくれないあたしの心臓は、ドキドキうるさい……。


陽は唇を離し、もう一度抱きしめると……





「さ、帰るか」





と言って、あっさり体を離した。

……もう少し触れていたかった、と思っていると、ひんやりとした手があたしの手に触れる。





「うんっ」




こうやって、自然に手をつなげることがうれしくて、幸せなことなんだと思う。


あたしたちは手をつないで帰り道を歩いた。
ゆっくり、ゆっくり……。家に着かなければいいのに、そう思うくらいに。





「小さいことは考えんなよ?」


「うん。ありがとう」





家の前に着くと、陽があたしの頭を優しくなでる。

小さなことではない……。
でも、悩んだってどうしようもないこと。


これからも、いろいろなことに向き合っていかなければいけないのだろう。

きっと、小さな壁や、大きな壁にぶつかることだってたくさんある。


あたしは、そんな壁にぶつかりながらも進んで行くんだ





「作り笑いすんな」


「わかっちゃった?」


「あたりまえだ」


「えへへ……」





苦笑いすると、不意打ちで軽くキスをされた。
明るく笑う陽。

そして、あたしに強く言った