優の本気に気がついて……
優のお願いが断れなかった。
「優、口開けて」
「顔につけんなよ?」
「努力はする」
今のあたしたちは周りから見たら、カップルなんだろう。
「……っうまかった……っ」
「無理しすぎ。なんか、今日の優は見てて痛いよ……」
そんな本音がこぼれてしまった。
あたしの言葉に優は真剣な様子でこういった。
「じゃあ、俺の気持ちに応えろよ」
「……優?」
「無理させてんのは絢だろ」
“無理しすぎ”
“見てて痛い”
という言葉に、優が感情をあらわにする。
あたしは、言葉を選ばなければいけなかった。
あたしの核心をついた言葉が……優を怒らせた。
ケーキ屋のお金を払うと優は、あたしの手を掴んで引っ張った。
今まで感じたことのない優の雰囲気……。
そして、腕を引っ張る力の強さ……。
痛いくらいの力に、あたしは抵抗もできない。
「優っ」
「……冗談じゃねぇよ……」
「ねぇ! 痛い……っ」
いつもなら「ごめん」ってすぐに離してくれて、あたたかい微笑みをくれるのに……今日は離してもくれなくて……。
優が怖かった……。
この冷たい雰囲気の人は……だれ?

