あたしの核心をついた質問に、奈菜はオロオロして顔を隠した。


その顔は乙女そのもの。





「……っ」


「また桜樹~? なんでみんな陽くんと桜樹なの?」


「由美……」





あたしと由美はニコッと笑って、奈菜の腕を組んだ。

瑞希ちゃんたちがにらんでいるのも無視して……。






「「さぁ、白状しなさい!!」」






あたしと由美の声がハモった。
すると奈菜は真っ赤な顔をして、小さな声で言う。





「桜樹くんが……好き……」


「やっぱり優って好かれるよね」





5人でいることが多くなってから、たしかに奈菜が優を見る瞳が変わってきていた。

優はだれにでも好かれる。
あんな笑顔を奈菜に向けるから、奈菜が好きになったって不思議じゃない。





「5人でいるようになってから……気になっちゃって……」


「優はいい男の子だよ」


「うん……。 優しくて、かっこよくて……。だれにでも平等で……」


「絢も奈菜も桜樹がよく見えるんだぁ」





そう言われたあたしと奈菜は由美に聞き返す。




「「由美は?」」


「あたしにはお調子者にしか見えないもん」




たしかにそう見える。

優はいつもニコニコしていて、明るく元気。
周囲を驚かせる言動も多くて目立つ存在……。


だけど……