きっと、陽よりあたしの方が好きが大きい。
「陽……。怒ってる?」
「は……?」
「だっ……」
「あたりまえだろ。なに手はつないでないとか言ってんだよ。颯太が期待するだろ」
……え? ヤキモチ?
そんな子どもみたいな様子を見て思わず笑ってしまった。
「笑ってんじゃねぇよ」
「だって、おもしろい……っ!!」
「しょうがねぇだろ。颯太に狙われたらヤダし」
狙われる?
赤くなった陽の顔は、男の人の横顔。
……かっこいい……。
「陽は……手……つなぎたくないの?」
「なんで?」
「だって……陽からつないでほしかった」
「……や、俺も迷ったんだけど……。汗かくから……」
「え?」
「緊張すると……手汗かくんだって……」
恥ずかしそうに言った。
はじめて知った。
また、好きが積もる……。
「ね、陽でも緊張するの?」
「あたりまえ。つーか、いっても絢限定。嫌がられたりしないかな……とか心配もする」
やっぱり心配性。
あたしが陽に近づいて、陽の制服の裾をキュッと引っ張った。
「……」
すると……