「か、彼氏なんて――…、」

『またまたご謙遜を。』

「!?」


照れてしまって、噛みながら否定しても、全く信じてくれない。


『お気に召された服はございましたか?』

「ぁ、えっと……」


いきなりはっきりとした声で質問される。

そうか、この人ここの店員さん…


「今、郁人さんが――」

『芹那ちゃん、持って来たよ。』

「ぃ、郁人さん…!?」


今、郁人さんが探してくれていることを伝えようとすると、郁人さんが戻ってきて、私は絶句してしまった。


「こ、こんなに、…ですか…!?」

『?うん。どれも芹那ちゃんに似合いそうだなって思って…、』


なぜなら、郁人さんは買い物かご2ついっぱいにして戻ってきたから。

あんな短時間でよくもこんなに…。

と、感心していると、


『さ、鏡の前に立って、』

「え、ちょっ…」

『始めに――』


郁人さんペースで、私のファッションショーが始まってしまった。(…と言っても過言ではない)