『気になるお店があったら言ってね。』

「はい。」


衣服専門のフロアで、良いお店を探索。


『…ねぇ、あの人、超格好良くない!?』

『ヤバッ、モデルとか!?』

『声掛けようよ!』

『え?でも、隣にいるの彼女じゃない?』

『えーヤダー!』


――のは良いけど、この場にいる女の子たちの視線を全て注がれる私達。

郁人さんは大変だなぁー…。

私は一人に見つめられるのも気が気じゃないのに、こんなにたくさん……


『ごめんね、芹那ちゃん。』

「え…?」

『せっかくの…買い物なのにさ。』

「郁人さん……。」


力なく笑った郁人さんの笑顔は、とても哀しいものだった。

…そんな顔、しないで。


『…っ、芹那、ちゃん…?』

「そんな風に、笑わないでください。」

『え…?』


無意識に、郁人さんの手を取った。