「よし、お風呂お風呂っと。」


クローゼットに入っていた服の中から、水玉のパジャマがあって、それと下着を持ってお風呂場へ向かった私だった。


――その頃、1階では…


『さっきお風呂行ったよ、芹那。』

『そうか。』


郁人と智愛が、コーヒーを飲みながら談笑していた。


『兄貴さぁ…。』

『ん?』

『本気だよね、珍しく…さ。』

『………』


智愛はコーヒーを飲みながら、冷静にそう言った。


『……自分でもよく分からないんだ。ただ……芹那ちゃんが震えてるの見て、芹那ちゃんの泣き顔見たら…――俺がこの子を、守んなきゃいけないって…思ったんだよ。』

『やっと…兄貴も前に進めそうじゃん?』

『ぁあ…そうかもな。』


それは紛れもなく、芹那がもたらしたモノ。

芹那と郁人の出会いは運命だったのかもしれないと感じた智愛だった。