『芹那っ♪どう?できた?』
「あっ、智愛ちゃん…。うん、できたよ。」
夕飯が出来上がって、火を止めていると、智愛ちゃんがキッチンにやってきた。
「ねぇ、その箱……」
『ん?あ、これ?』
上機嫌な智愛ちゃんが持っている、中くらいの白い箱。
「ケーキ?」
『さすがっ!そう♪兄貴んとこのケーキ!さっき兄貴からもらったの。後で食べよ?』
「うんっ!」
やった♪
ケーキだー…!
ケーキを冷蔵庫に入れている智愛ちゃんの後ろで私はニヤニヤ。
後でケーキが食べられると思うと、ニヤニヤが治まらない。
『私も手伝うよ。』
「本当?…じゃぁ、ご飯をよそってくれると嬉しいかな。」
『了解!』
夕食を2人で並べている頃には、郁人さんも部屋の荷づくりが終わったらしく、ダイニングに来ていた。