キィッ

『着いたよ、』

「ここ――…」


止まった車の横には、大きな一軒家。

普通の一般人なら住めないような家だ。


『さ、降りて。さっさと中に入ろう。』

「は、はいっ…」


その家の駐車場に車を止めたいくとさんと一緒に家の中に入る。


「開いたまま…?」

『俺が来るって言ったから、開けてくれたんだろう。こっちだよ。』


開いたままだった玄関のドアのカギを締めて、いくとさんの後に続く。

新築なのか、すごく独特な匂いがする。


『智愛(ちえ)-?』

「……」


妹さん、智愛さんって言うのか…。


『お兄ちゃん?』

「あ…」

『おい、智愛…。何の真似だ。』

『…ぇへっ♪』


キッチンらしきところから出てきたのは、フリフリの俗に言うロリコスチュームを身にまとった妹の智愛さんだった…。