『もう芹那ちゃんを一人にはしておけないな…。』

「ぃくと、さん…?」

『大丈夫。俺が芹那ちゃんを守るから。』

「っ…!!」



――俺が芹那ちゃんを守るから――


何回も、その言葉がリピートされる。

私を……守る?


『芹那ちゃん、財布とか携帯とか――…自分の必需品は持ってる?』

「それは――…全部、置いて来て…」

『家に?』


ゆっくりと、首を縦に振った。


『そうか…せめて携帯とか、財布とか、免許証くらいは必要でしょ?』

「携帯はっ…――ちょっ、と……」

『…もしかして、携帯番号とかメールアドレスも知られてる?』


頷きたくないけれど、頷くしかない。

実際に知られているから、こんなことになっているのだから…。