『今日は楽しかった?』
赤信号で車が止まると、郁人さんが明るい口調でそう聞いてきた。
「はい。でも、私もお金出したかったです。ほぼ私のモノばかりなのに…郁人さんに全負担させちゃって、」
『まだ気にしてたの?(笑)良いって。これでも俺、有り余ってたんだ、お金。とくにこれといった趣味もなくて、何か集めてるってわけでもなかったから、逆に感謝だよ。お金の使い道を提供してくれてありがとう。』
「そっ、そんな…!」
お金出してもらったのに、感謝されるなんて…!!
「…郁人さんって、趣味ないんですか?本当に?」
『クスッ…残念ながら。好きなことはケーキ作り。でもそれって、普段の仕事でやってるし、休日になると暇になるんだ。物欲もあまりないし、お金が溜まっていく一方で。』
「へぇ、いいなー。」
『良くないよ。仕事してる時は満足なのに、休日になると楽しくなくなるんだ。おかしいでしょ?だから、こうやって消化してくれる人がいて、凄く嬉しいよ。』
「……///」
なんだか、私が物欲の塊だって言われたみたいで恥ずかしくなった。

