どのくらいの時間だろう。 しばらくそのままでいると、カウンターから人が立つ音がした。 「あっ…!」 私は自分の置かれてる状況に気づき、慌てて体をよじる。 すると、思ったよりもすんなり手が離れた。 「誰か残ってますか?」 図書委員の人がこちらに近付いて来る。 「は、はいっ」 本を棚にすぐ仕舞い、席へと戻りながら後ろを一瞬、振り返った。 でも……。 そこにはすでに誰もいなかった。 .