親同士の決め合いで行われたお見合いほど、子供にとって傍迷惑なものは無いだろう。 聖は終始不機嫌そうな顔で、旅館の池の方を見ていた。 わざわざ京都まで足を運んで見合いをするとは、暇人だと見くびってくれたものだ、と心の中で聖は悪態を吐く。 「あまり、楽しくはありませんか?」 二人きりにされて数分間。 黙っている聖に、見合い相手の男は話しかける。 聖の父親関係の男だからかなり面倒。