君想ふ聖夜

















幼い頃、慕っていた静綺の祖父が亡くなった。

有名というのもあり、葬式には沢山の人が葬列した。

その中に十六夜の人間も入っており、聖も居た。

両親が忙しなく動いているなか、泣いていた静綺を慰める者は居ない。

その時、隣で一緒に居たのが聖だった。

「人は死んじゃったらどこに行くの?」という桜嘉の空気の読めない質問に、「どこにも行かないに決まってるでしょ。」と少し怒ったように答えた。