君想ふ聖夜



膜を破られる痛みと卑猥な水音が聖の耳を支配する。

本当に強姦だ。暴行罪で訴えてやろうか。

唸る聖の手は、ベッドの枕の下のシーツを掴むが爪が手のひらに食い込んでいて痛い。

それに気付いた静綺は、手を自分の肩に誘導した。

聖の滲んだ視界の中に暖色の電気と静綺の姿が見える。

頬に口付けを落とされる。

女に生まれてきて良かったのか悪かったのか、分からない。

でも、静綺が居る限り悪いとは思わない気がする。

自分も頭や心のどこかで静綺を認めていたのだ。