行動の意味が分からない聖は、首を傾げて至近距離の静綺の顔を見た。 それまでは冷静だった。 静綺の唇が、聖の唇に触れるまでは。 驚きすぎて、自分の身に何が起こっているのか分からない聖はただ目を見開くばかり。 触れ合っているだけのそれが、少し離れた。 間髪を容れずに静綺を退けようとした聖の手は思うがままに掴まれ、繋がれる。 そして、二度目の口付けで自分の咥内に静綺の舌が入ったのに気付いた時、死を覚悟した。