「…これって、」 どうすれば出来る?と聞こうと、静綺へ振り返ると近付いた静綺が近い気がした。 思わずびくりと固まる聖の手から、インスタントのカップを取る。 ちゃっちゃと用意をした静綺を見て、聖は唖然とした。 「ありがとう。」 素直に言った聖。 その言葉が聖の口から出てくることは奇跡に近く、次に唖然するのは静綺の番だった。 「…は、」 ポットから離れようとした聖を化粧台と自分で挟み込んだ静綺は、眉を寄せた聖と向き合う。