君想ふ聖夜



聖はポットを見つめる。

静綺が不意に声をかけた。


「クリスマスプレゼント、爽さんに何か貰ったか?」

「いや…何も。」


まさか、見合いがプレゼントだったんじゃあるまいよな。

嘲笑を浮かべながら聖が言った途端、ポットから音声が流れてお湯が沸いたのが分かった。

待ってましたと言わんばかりに聖はベッドから立ち上がり、ポットに手をかけた。

インスタントの味噌汁を食べたこと無い聖は、奇特なものを見るようにカップに視線をよこす。