君想ふ聖夜



部屋に静綺を通した聖は、ローテーブルにビニール袋を置いて部屋のポットを探す。

静綺は構わず化粧台の椅子に座り、聖の行動を見ていた。


「何してんの?」

「ポット、てお湯を沸かせるんだろ?」

「あぁ、そういうこと。」


静綺は立ち上がり、冷蔵庫の上の棚を開く。

聖の目当てのものを取り出した。


「よく知ってるな。」


スムーズなその動きに感心したように聖が言う。
スイッチを押した静綺はまぁ、と続けた。


「昨日からここに泊まってるからな。」