「これ、いつ準備したんだろうね?」 『いつだろ~』 『ぁ、昨日さ、教室から、女子消えたじゃん。そん時じゃない?』 「確かに!!」 確かにあの時、大森は桜木さんに呼ばれて教室を出て行った。 だから、あのとき一人一人呼んで書かせたに違いない。 『しかもさ、これ手縫いだよ!!』 緑色のフェルトで縫われてるお守りの外側には、オレンジ色でそれぞれの名前が刺繍してある。 あたし、大丈夫。 みんなのこと信じて、みんなのために弾く。