――――………未来から来た、ねぇ……。

あのあと、全てを話し終えて眠そうだった朔を隣の部屋に寝かして。
残った三人で、談笑をしていた。

ふと、隣の部屋とを繋ぐ襖を見ながら、一人ごちて俺は笑う。

面白れぇ女だとは思っていたんだが、さすがにここまでとは思っていなかったんだぜ。


「どうしたんだい、晋作」


「聞くまでもないじゃないか、桂くん?高杉さんの見つめている方は朔くんの入った部屋の襖じゃあないか――……こりゃあ、きたかな?」


「おや、なにがだい?」


ばーか。
なんなんだ、こいつらは。

石川と小五郎の会話なんてガン無視をして、俺はため息をついた。

そして壁に凭れる。
ったく、気になるったらありゃしない。

けれども、聞いていい気がする訳もない――……
何て言う我慢大会だ、これは。


「なぁ、小五郎」


「ん、なんだい」


「お前、あいつが着物脱ごうとしたとき――……」


「見てないよ」


「……あぁ、そう」


それだけを聞けば、俺は立ち上がった。

……たしかに、あのとき小五郎は朔の後ろにいた。
だったら、俺が気になった"アレ"はあいつに見えてはいないだろうよ。

畜生、なんだってこんなに気になる?

……無防備に着物の前を開けて晒すあいつが悪い。
いや、アレをつい見ちまった俺が悪いってか?

後ろじゃあ石川がまた馬鹿みたいな事をほざいているが、いちいちんな事を気にしてもいられねぇ。