「うん。俺も賛成。それに高杉さんもそれを望んでいるらしい」


そして気付けば、石川さんまでもが声をかけてくれて。

やっと私は、――恐る恐るではあったけれども――高杉さんの手をとることが出来た。


「高杉さ――……きゃ!」


しかし、そっと高杉さんの掌に指先を置けばそれは素早く動き、パシッと私の腕を捕らえる。

そのままぐいっと引かれた私は、重心をずらしてつい悲鳴を上げた。

気付けば高杉さんの胸の中、すぐに状況が理解できなくて目をぱちくりと瞬かせた。


「………え?」


間抜けな私の声に続いて。


「あーあ、まったく、晋作は。すぐこれなんだから」


「変わらないねぇ、高杉さん。そんなに気に入ったかい、この娘さんが」


呆れたような、それでいて何故か頼もしげな桂さんと石川さんの声が聞こえた。


「たか、たかたかたか、高杉さ……!?」


やっと状況の把握に頭が追いついてきた私は、回数が素晴らしく早い瞬きを止めずに高杉さんの胸を押した。

ぐ、と力を込めて。
しかしそんな程度で離してくれるはずもなく、私は柄にもなく焦る。


「なにしてるんですか、これじゃ私話せません!離してください……!」


切実に!恥ずかしいもの……!