「甘味、好きですか?」


「甘味—————……甘いもの、大好きです。私!」


そして、出てきた言葉についつい食いついた。


「なら、甘味処巡りと行きましょうか。僕、結構詳しいんですよ!……もし、朔さんが僕で差し支えないのなら、ですが」


「差し支えなんてありませんよ!是非、そうしましょう!」


「それは良かった。では、朔さん。僕を見失わないように……」


はい、と差し出された手をしばし見つめてしまった。

どういうことだ、と。

しかしてそれが言外に繋ごう、と言われているのだと気づいた瞬間に、私の頭はポンと音を発てるかの如く弾けるように熱くなった。


「ほら、早く!日が暮れてしまう前に!」


私が迷い戸惑っている間に沖田さんは私の手を取って、颯爽と歩き出してしまう。