はだかの王子さま

 

 ……そう、ばっちり言い切った放課後。

 わたしは、とっても後悔することになった。



 なんだか家が、怖いんだ。

 うん。

 見た目はいつもと変わらないんだけど……

 ただいま、って入った玄関が、スッゴく静かで変な感じがする。

 朝、わたしがぷんすか怒って登校した時は。

 星羅とお父さんが居るときに出て行っちゃったから、もちろん気にならなかったし。

 もう、高校生だもん。

 今までだって、星羅が来たり、わたしがフェアリーランドに行ったりするけど。

 基本、普段は、父さんが帰ってくる時間まで留守番してる。

 帰宅部で、バイトもしてないから、一人で待ってることなんて、しょっちゅうなのに。

 今まで感じてないことを感じてる。

 誰もいなくて。

 しん、と静まり返っているはずの家が、なんだか『騒がしい』感じがする。

 耳では確かに聞こえないはずなのに、他のどこかが……例えば、頭に直接。

 何かが喋っている感じがする。

 な……何が起きているんだろう?

 全くワケが判らない。

 わたしは、うん、と頷くと、一番そんな声が聞こえたような気がする浴室を開けた。

 すると!

「……あれ? 何も無い……?」

 そう。

 お風呂場は,昨日わたしが使ったままで、ほどほどに整頓してるままだ。

 ……ただ、気になる所と言ったら。