はだかの王子さま

 そう、ちらっと思ったわたしの心を無視して、賢介が言葉を続ける。

『二人とも、今日の夜から忙しいんだろう?
 もしかしたら、このままフェアリーランドに泊り込むかもしれないんだって?
 真衣さえ良かったら、今日の放課後からデートを始めてもいいけど、どうする?』

「……い……や……」

 だって、わたしは、星羅が好きなんだもん。

 星羅とじゃなかったら、誰とも二人きりになんて、ならないもん!

 だから。

 イヤだっていう言葉は、誕生日込みの拒否だったのに。

 賢介は、一つうなづくと言った。

『……わかった。
 じゃあ、俺とのデートは明日の二十八日から、だな。
 そんで二十九、三十日、一日は、丸々と、ニ日は、日暮れまでって言われたから……』

 ち、ちょっと待ってよ!

 賢介って。どれだけウチに居座る気……!?

 お父さんが、居ない間、ずっとってことじゃない!!

 一言もしゃべれないけれども。

 焦るわたしを察してか、賢介は笑った。

『まぁまあ。
 ずっと、家に居てもつまんなくないように、ケーキの他に、お菓子とゲームを持ってくから……』



 ちがーーーーーう!!



 なんで、そうなるのよ!