「おとーさんったら!」

 まったく、もう!!

 止めるわたしまで無視して、更に星羅に近寄ると、父さんは妙に迫力のある声でささやいた。

「貴様。
 約束を忘れたわけじゃ、ねぇだろうな?」

「真衣を、僕のお嫁さんにくれるっていう話なら、ばっちり、しっかり覚えてる」

 しれっ、と返した星羅の言葉に、父さんの方から、プチっと何かがキレる音がしたようだった。

 あ、父さんのこめかみに、怒りの青筋マーク浮いてる。

 誰も信じないかもしれないけど。

 普段は、温厚なのになぁ……

 ナゼ、星羅の前では、超~~短気なんだろう?

 お父さんは、さっきより、更に低い声で、言った。

「真衣は、大人になるまで、嫁にはやらん!
 そして!
 婚前交渉は、大禁止だ!!」

 こ……婚前交渉って何よ!

 要は。

 二十歳になるまで、結婚禁止。

 結婚するまでは、その……っ!

 え……えっちとか、禁止って事だけど。

 フツ~~

 こんな所で、言う!?

 も~~!

 勘弁してよ!!