『ああ。
 扉を作ったヤツと門番の一致は五百年ぶりだがな。
 門が丸一日、開く理由は、別に。
 ビッグワールドの罪人や観光客が行き来するためじゃねぇ。
 グラウェをとりいれる、通風孔だ』

「でも、この地球が、大切な場所だって言うのに、どうして。
 向こうの世界で、罪を犯した追放者が来る国になっちゃったの……?」

『今は、こっちの方のグラウェが、濃すぎてる。
 グラウェを下手に使うと、命を縮めるんだ』

 い……命を縮めるって!?

 なんで、そんな大事なコトを軽く言うのよ!

 わたしは、0から話を聞いて、怖くなった。

「何よ、ソレ!
 星羅も、お父さんも、賢介も、0さんも……ゴブリンさんたちも!
 みんな結構簡単に姿を変えてますが……っ!
 しかも、ゴブリンは、ひょいひょい、空を飛んでたし!」

 星羅に至っては『最高位の炎狼』とかって言って、ファミレスで自分で脱いだ皮を跡形もなく消してしまった覚えが……!

「シルクド・セイラとか言って、ファミレスで毛皮を消したヤツ!
 あれがグラウェの力……だったのかな?
 そうだったら、星羅!
 命を縮める、なんて大変なコトを簡単にしてない!?」