ぜーーんぶは、その『グラウェ』とかって言うエネルギーを獲得するために、こちら側の地球を振りまわしている。

『否定出来ねぇな。
 ……でもそれだけ、ビッグワールドの連中は必死だった』

 0は、子犬のクセに、複雑な顔をして、天井を見上げた。

『ビッグワールドとこっちの世界を分かつ壁は、覇王の剣にしか破れないが、案外薄い。
 大きな穴をいきなり開けたら、風船のように、破裂してしまうかもしれない。
 それに覇王の剣は、覇王にしか使えねぇ上。
 肝心の覇王が、いつ、この世に輪廻転生して生まれ変わって来るか、わからねぇ』

 けれども。

 威力をある程度抑え、しかも、覇王でなくても扱える剣が必要だった。

 だから、覇王の剣に宿った魂を半分にちぎって、剣に戻したのが0。

 もうひとつをヒトの輪廻の中に戻し……それが、何度か輪廻転生を繰り返し、して。

 たまたま、今の時代に生きることになったのが、星羅、らしい。

『貴重な『グラウェ』獲得のため、俺様は、この二千年間に、大分主を変えながら世界の壁に風穴を開けたな……
 この状態で、一番でけぇ仕事は、もちろん。
 フルメタル・ファングとやったフェアリーランドの地下にあるヤツだけどな』

「五月一日に、一日だけ開くって言う、お父さんが門番している扉のコト……?」