はだかの王子さま

 そこで、泉から空中に吹きあがると、果てしない宇宙空間まで拡散してしまうグラウェを惜しんで。

 世界最大の級のグラウェの泉を、幾つも有している大陸を丸々二つ。

 風船や、ビニール袋に空気を詰め込んで遊ぶみたいに、別世界……っていうか別空間に閉じ込めたらしい。

 それが、ビッグ・ワールドの原型で。

 その正体を聞いた時。

 立っていたわたしは、膝が砕けるかと思った。


 だって。

『その二つの大陸の名前を『アトランティス』と『ムー』と言う』



 ……なんて言うんだもん!!



 
「えっと、アトランティスや、ムー大陸は、確か。
 大地震や、地殻変動かなんかを起こして、一晩で海に沈んだって、話では……?」

 とても大きな土地が、たった一晩で無くなってしまうなんて。

 その話は、とてもロマンチックな上に、神秘的で。

 フェアリー・ランドの一番いい場所に、沈んだ大陸をテーマにした場所があるくらい、有名な話だったはずだ。

 フェアリーランドで覚えた物語を元に0に聞けば。

 0は、赤い目を細めた。

『大陸は大地震や、地殻変動では沈んでいない』



 ……え?

 なんですって……!?