百匹の金色狼の中からだって、多分。

 一発で星羅を探し出すことが出来る自信めいたのが、蒼のセイラが金髪の星羅と同一人物だって教えてくれているようだった。


 じゃあ、この状態は、なんで……っ!?


 パニックを起こしているわたしに、蒼のセイラが、迫る。

 フラットになっているソファベッドに、肩を押さえつけられ、身動きがとれない!

 それが、こんなに怖いことなんて……!

 いつものように、星羅に抱きしめられる、じゃなく。

 ちゃんと、愛の行為で抱かれることは、希望だったし、興味もあったけれど。

 こんな形では、イヤだった。

 星羅の優しい声が聞きたかった。

「欲情した?」

 なんて、赤面モノの確認じゃなく。

「愛してるよ、僕の真衣」

 なんて、甘い言葉をささやいて欲しかった。

 そして、何より。

 身動きが取れなくなるほど押さえつけられるんじゃなく。

 わたしが、自分の手で、星羅を抱きしめたかった。



「星羅……お願い……やめて……っ」


 震えて、かすれるわたしの声は、セイラに届かなくて。


 涙が出そうだった。