「ウソじゃないさ。
 オレの名は、セイラムド・フォン・ゼギアスフェル。
 世界を滅ぼす覇王の剣」

 うぁ……っ!

 しゃべるたびに、クビと肩を撫でる吐息がダメだ。

 聞き慣れたはずの星羅の声が。

 ただ、口調を変えただけで凄くセクシーだった。

 しかも、追い討ちをかけるように、蒼のセイラは、わたしの首筋に口づける。


 も……っ!

 こんなに切羽詰まった場面なのに……っ!

 それっ……だ……ダメだ……ってば……っ!


 甘い刺激がわたしのカラダ中を駆け巡り。

 抵抗する力が抜けた。

 そのやるせない感覚をなんとかしようと、自分の手を握りしめれば、蒼のセイラが、低く笑い声をたてた。

「やっぱり、あんた。オレに欲情してる」

「し……してないもん!
 わたしが……好きなのは……っ!
 星羅だけだし!」

「だから、オレがセイラだ、って言ってるだろう?
 それとも、あんた。
 自分の男以外のヤツに、そんなに簡単に欲情するのか?
 案外……ヤらしい女だな。
 ……いいぜ?
 オレもあんたを食いたいし。
 このままヤらせろよ。
 あんたが満足するまで、壊れるほどに抱いてやる」

「……!」

 ヤらしい、なんて。

 星羅に一番言われたくない言葉だった。

 わたしを食いたい、なんて。

 星羅なら、絶対言わないはずの言葉だった。