「私ね、月が迷子になったところ見たことあるんだ」
美緒は外を眺めたまま口を開いた。
「え?」
突然振られた話題に坂井は短い声を上げた。
その様子を見て、美緒は先ほどと同じように小さく笑った。
「……っていうか、小学校のときの話なんだけどね。私今の家に引っ越す前隣町の団地に住んでたって話したことあるよね」
「ああ」
「その頃近くの書道教室に通っててね、終わった後友達と遊んでたら帰りが遅くなっちゃって、気がついたら暗くなってたんだ。そのとき満月でね、空みたらこーんなでっかい月があったんだ」
そう言うと美緒は、両手で大きな輪をたどった。
美緒は外を眺めたまま口を開いた。
「え?」
突然振られた話題に坂井は短い声を上げた。
その様子を見て、美緒は先ほどと同じように小さく笑った。
「……っていうか、小学校のときの話なんだけどね。私今の家に引っ越す前隣町の団地に住んでたって話したことあるよね」
「ああ」
「その頃近くの書道教室に通っててね、終わった後友達と遊んでたら帰りが遅くなっちゃって、気がついたら暗くなってたんだ。そのとき満月でね、空みたらこーんなでっかい月があったんだ」
そう言うと美緒は、両手で大きな輪をたどった。
