(え、うそ。だってそんなわけない) そんなわけないはずなのに。 顔を真っ赤に染めて唸っている先輩の姿に期待が膨らんでしまう。 もしかしたらが、あるんじゃないかって。 これで振られたら、本気で立ち直れない。 どんどん加速していく胸の鼓動と身体中の熱にスカートの裾をぎゅっと掴みながら、私は先輩の姿を見つめた。 その答えを願いながら。 どれくらいの時間が経ったのか。 張り詰めた空気のなか、意を決したようにすっと立ち上がった先輩。 そしてその目が真っ直ぐに私の姿を映した。