「あ、あの…」
「だぁぁぁあああー!!最悪…!」
声をかけようと思い同じように屈もうとすれば、突然勢い良く声をあげた先輩。
あまりの大声にビクッと体が跳ねた。
思わず止まる体の動き。
び、びっくりした。心臓止まるかと思った。
そんな私に気付いていないらしい先輩は、ガシガシと両手で思いっきり頭を掻きながら"最悪だ"と繰り返す。
そして
「…もっと…もっとちゃんと告白するつもりだったのに」
そう小さく呟かれた言葉は確かに私の耳に届いて。
見事に心臓を貫いた。
カッと全身が熱くなる。
ドクドクと音をたてる心臓を自分じゃどうすることも出来ない。


