彼は

儚く散る桜の枝木を一本、春の日に。

陽射しに向かう向日葵一輪、夏の日に。

アスファルトに咲く秋桜一束、秋の日に。

名も知らぬ白い花を摘んで、冬の日に。



姿見えぬ彼女へと、供え続けた。




.