「えっ…。 時雨君の好きな人って、真白じゃないの?」 美沙希が、走って行く時雨君を見ながら、小声で言う。 「絶対そうだよね?」 千里も言う。 「…。」 すごくショックで、言葉も出ない…。 「3人とも、どうした?」 梓君が、ポカーンとしている私たちに聞く。 慶君も、不思議そうに私たちを見る。 そうだよね…。 みんながみんな、上手くいく訳では無いんだよね…。 「なんでもない。 それより今日、用事あったんだ! 帰るね!」 そう言って、私は走ってその場を去った。