目を開けてみると、暗くて見えないはずなのに、その人がすぐに分かった。 「はなしてやれよ!」 その人が言うと、一真君の手はあっさり離れた。 「ふぇっ…。 時雨君!」 私は、時雨君のもとに駆け寄った。 「大丈夫か?」 「うっ、うん…。」 人前で泣くのは、恥ずかしいけど…。 今は、そんなこと気にしてられない…。 一真君に襲われた恐怖と、時雨君が助けに来てくれた安心で、涙が止まらない。