「っ!」 気付いたときには遅かった。 一真君の手は、私の右の手首をつかんでいた。 「やめて!」 そう言って、一真君の手をとろうとした。 でも、一真君のもう一方の手によって、私の手は捕まえられた。 「抵抗してみろよ!」 「っ!」 「ほら…。」 いつの間にか私は、壁に背中をぶつけていた。 こんなとこに、壁なんてあったんだ…。