□23
「おかえりなさい!」
声のトーンが、2音くらい違った。
ドアを開けるなり、本当に飛び込んできそうな勢いの声に、不意打ちをくらったカイトは盛大に固まってしまった。
帰宅するまでは、昨日と同じように『本当にあいつがいるのか?』という病気にかかっていたのだが、そんなウィルスも何もかも、この一瞬で吹っ飛んでしまう。
出迎えのメイを見ると、もう身体中から押さえきれないような笑顔で、にこにこと笑っている。
身体中から、『嬉しい! うれしい!』というオーラがびしばしに飛んでくるのだ。
何故、彼女がこんなにご機嫌なのか―― それについて、考えようとしたのだが。
「来て、来て!」
カイトの腕を捕まえて、子供のようにどこかへ連れて行こうとする。そんな彼女に、まばたきをしながらもついて行った。
一体、何があったんだ?
そう思っている内に、彼はダイニングに到着したのだった。
おいしそうな料理が、既にテーブルの上に用意されているのが見えたが、それは素通りだ。
彼女は料理に見向きもせずに、調理場まで連れて行くのである。
「ほら!」
中に入るなり、興奮さめやらぬ声をあげてカイトの注意を引く。
指をさされた先には。
流しの所には。
給湯器がついていたのだ。
あぁ。
それで、カイトは理解した。
今日の朝、カイトが一番最初にケイタイをかけた相手は―― ガス会社だったのだ。
冷たい水で後かたづけをさせたくなくて、また自分が忘れたりしない内に、と思った彼は、強引に今日中の工事をねじ込んだのである。
「ね、ね…見ててね」
メイは、ぱっとカイトから離れて袖口をまくると、給湯器のスイッチをポン、と押す。
すると、出てきた水がみるみるお湯に変わったのが分かった。
出てくる湯気のおかげだ。
それに、ばしゃばしゃと手をつけながら。
「これなら、お皿100枚、200枚洗っても平気…嬉しい」
はしゃぐような声で、彼女はそう言った。
そうじゃねぇ!
カイトは、ぐらっとした。
「おかえりなさい!」
声のトーンが、2音くらい違った。
ドアを開けるなり、本当に飛び込んできそうな勢いの声に、不意打ちをくらったカイトは盛大に固まってしまった。
帰宅するまでは、昨日と同じように『本当にあいつがいるのか?』という病気にかかっていたのだが、そんなウィルスも何もかも、この一瞬で吹っ飛んでしまう。
出迎えのメイを見ると、もう身体中から押さえきれないような笑顔で、にこにこと笑っている。
身体中から、『嬉しい! うれしい!』というオーラがびしばしに飛んでくるのだ。
何故、彼女がこんなにご機嫌なのか―― それについて、考えようとしたのだが。
「来て、来て!」
カイトの腕を捕まえて、子供のようにどこかへ連れて行こうとする。そんな彼女に、まばたきをしながらもついて行った。
一体、何があったんだ?
そう思っている内に、彼はダイニングに到着したのだった。
おいしそうな料理が、既にテーブルの上に用意されているのが見えたが、それは素通りだ。
彼女は料理に見向きもせずに、調理場まで連れて行くのである。
「ほら!」
中に入るなり、興奮さめやらぬ声をあげてカイトの注意を引く。
指をさされた先には。
流しの所には。
給湯器がついていたのだ。
あぁ。
それで、カイトは理解した。
今日の朝、カイトが一番最初にケイタイをかけた相手は―― ガス会社だったのだ。
冷たい水で後かたづけをさせたくなくて、また自分が忘れたりしない内に、と思った彼は、強引に今日中の工事をねじ込んだのである。
「ね、ね…見ててね」
メイは、ぱっとカイトから離れて袖口をまくると、給湯器のスイッチをポン、と押す。
すると、出てきた水がみるみるお湯に変わったのが分かった。
出てくる湯気のおかげだ。
それに、ばしゃばしゃと手をつけながら。
「これなら、お皿100枚、200枚洗っても平気…嬉しい」
はしゃぐような声で、彼女はそう言った。
そうじゃねぇ!
カイトは、ぐらっとした。



