「―――嘆くのはやめて、君は両親の意思を引き継げばいい」
ふ、と。
穏やかに優しく、身体を包む風のように、雲雀が微笑んだ。
「その為には、多くを学ばなきゃならないけどね」
その笑みはまるで、優しく吹く追い風のようだった。
艶やかというより無垢に近い、まっさらに産まれついた、穢れることを許されなかった性質。
―――そうして俺は、他と同様にふたりのこどもとして育てられることになった。
白く穏やかな邸のなかで、多くの植物、家族に囲まれて。
「神」のこどもとして、地上の幸福を探る。
「植物学者だった君の父君は、その功績を讃えられて国から「街」に住む資格を与えられていたんだよ」
ソファに座り、優雅に茶を楽しんでいる雲雀がなんとはなしにそんな話を始めた。
いきなりの事に、周りにいた兄弟達も皆、不思議そうに雲雀を見ている。
ここで生活するようになってまだ一月。
なかなか慣れないことも多いが、以前のように生死の心配はないし、なにより心穏やかに暮らせるようになった。


