「…気持ち悪いでしょう」
倫子が笑う。
深く薄ぺらい声色が胸をついて、じわじわと血液に浸透していく。
恐怖が、未知への畏怖が、まるで。
「まあ昔、実験体やってた頃が、あってね」
周りに居たこども達が、申し合わせたように静かになっていた。
裸体のミチコから広がる、胸を突く淡い円形の波。
触れれば、涙を流してしまう。
「…これが原因で、こどもが産めない」
血の涙が、瞼を。
「―――あんたの知らない、痛みだよ」
その悲しい笑顔を、焼いてゆく。
「…ご、め」
理由も解らず、震える唇は謝罪していた。
今、自分はとんでもないことをしたのだと、世界中に責められているようだった。
周囲で各々行動していたこども達は一斉にこちらに視線を向け、俺を計っている。
「倫子、ごめん…」
陳腐な謝罪しか出来ないくせに、自分が犯した罪すら理解が浅いまま。
ただ純粋に、自分が情けなく、憎らしかった。


