「だからってなぁ、」
そんな倫子に盗賊達は脅えた視線を向け、雲雀は愛しげな視線を向けている。
雲雀は意外とバカだと思った。
「自ら貶めるな」
それが、最後の言葉になった。
「ぎゃっ」
瞬間、男達が一瞬にして消える。
それこそ塵も残さず、蒸発してしまったかのように。
異様な風景に、思わず悲鳴を上げてしまった。
「な、な、…!」
先程まで騒然としていた大地は静まりかえり、草木が風に鳴くだけとなる。
一体なにが起きたのか。
「…ちょ、雲雀ぃ、またやったわけ?」
口をぱくぱくさせて驚く俺を他所に、倫子が呆れた声を上げる。
それを受けて、雲雀は倫子の体を乱暴に抱き上げた。
「そうしないと、いつまでも痩せ我慢していたでしょう」
そう言って雲雀の視線が移動する。
見れば、倫子の曲げられた膝は痛々しく青紫色に変色していた。
「なんだよ、それ!」
ぎょっとして声を上げれば、倫子は暢気に「おーヒカリ、お互い無事で良かったね」と雲雀に抱えられたままのたまっている。


